縄文杉登山記 屋久島旅行記
縄文杉を訪ねて
平成11年の12月屋久島にある縄文杉を訪ねて、妻と二人で行って来ました。
なぜ屋久島に行こうとしたか、それは屋久島が世界遺産に登録されたときから、一度行きたいなと考えていました。
屋久島に行くには、鹿児島空港から飛行機で行く方法と、鹿児島港から船で行く方法があります。
飛行機で行こうとしたのですが、申し込むのが遅くて、切符がとれませんでした。
名古屋発8:00 鹿児島行きの飛行機に乗り、 鹿児島空港着9:20、 西鹿児島行きのリムジンバスに乗って鹿児島に降り、ました。 屋久島行きの水中翼船(トッピー)の出発は13:00だったので、出発までの待ち時間を使って市内見物をしました。 トッピーは13:00発、宮之浦港着は15:30でした 港近くの「屋久島環境文化村センター」を見学し、宮の浦の港近くのホテルで宿泊です。 屋久島は九州で最も高い宮之浦岳(1935m)が中央にそびえ、縄文杉は宮之浦岳の8合目ほどにあります。 全島山ばかりというような島で、雨量は島の中央部で年間8000oも降るという。(高森町は年間約2000mm) その雨が屋久杉を育てているようです。 屋久杉と言われているのは樹齢1000年以上の杉の木を言うわけですが、その中でも私が訪ねたかった縄文杉は樹齢7200年と言われています。 (Wikipediaでは縄文杉の樹齢は古くとも4,000年以上はさかのぼらないとするのが定説になっている。またこの名は 奔放にうねる幹の造形が縄文土器に似ているからという説がある。)とある。 それでも、日本で一番長生きしているんじゃないかなと思いました。 2日目は朝、まっ暗い5時に起きレンタカーで登山口に向かいました。 登山口から縄文杉まで4時間半といわれています。 登山口に6時に到着、懐中電灯をつけて歩き始めました。最初は林用軌道を歩きます。 |
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朝早かったので最初は懐中電灯をつけて歩き始めました。 30分ほどで明るくなってきました。 この日も屋久杉の古い木の株をトロッコで運んでいました。 おみやげ用のお盆とか、彫刻を作るんだそうです。 一時間ほど歩くと小杉谷の分校跡にでました。 昭和のはじめ頃は林業が盛んで、屋久島も杉を切ってどんどん九州や大阪の方に運んでいました。 そのころはこの近くにも林業に従事する人が多く、その子ども達の通う小杉谷小中学校がありました。 しかし杉の木を切り尽くしてしまい、林業が衰退し、昭和45年に、この学校は廃校になりました トロッコ道を歩いていくと正面に宮之浦岳の一部が見えてきました。 小杉谷を流れる川はとてもにきれいでした。 道のところどころに大きな杉の木がポツンポツンと出てきました。 |
小杉谷分校跡 |
トロッコ道を離れて、いよいよ山道を登り始めるとまもなく、大きな杉の木がありました。 大王杉というそうです。 樹齢3000年、胸の高さでの直径・胸高直径が4mあるそうです。 名前付いていない大きな杉もたくさんありました。樹齢は2000年を越えているそうです。 右の杉の切り株はウィルソン株と言われています。 大正3年アメリカから調査に来た植物学者ウィルソンという人が発見したもので、この木が切られたのは1586年、戦国時代(豊臣秀吉が全国を統一する直前ですね) 樹齢は4000年を越えているそうです。根のまわりが32mあります。 |
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ウイルソン株 | |
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ウィルソン株を過ぎて樹林帯の中でヤクシカを見かけました。 人が近くに行ってもあまり恐れることもありませんでした。 |
触ることができる数少ない屋久杉 | 大王杉 |
ウィルソン株を過ぎて道は樹林帯を登っていきました。
途中には名もない杉の木でありながら樹齢1000年を越える屋久杉の木が何本もありました。
また大王杉、夫婦杉など名前の付けられた杉もいくつかありました。これらの杉はなかなか太い杉で
とにかく見事なものでした。
歩き始めて4時間半、目的の縄文杉に到着しました。 樹齢7200年、7200年前と言えば縄文時代ですね。そこから名付けられたと思いますが。そのころから生きていたことが信じられないですね こぶがいっぱいできていることにも驚かされました。 数年前までは、木の根本まで近づいて木に触ることもできたそうですが、 根元が踏みつけられて、木が弱ってしまうので、今は柵が根元までは近づけません。 人の大きさと比べると縄文杉の大きさが実感できますね 山を歩いているとき、インストラクター・ガイドさんに会いました。生まれは東京だそうですが、屋久島の自然の美しさに魅せられて、ここでインストラクターとして働き始めたそうです。 登りが4時間半、下りが4時間、やっと登山口まで降りました。 屋久島の自然はとても美しく、また島の人たちは世界遺産登録されてから 観光客も増えたので、さらにこの自然を守ろうと 環境センターや研修センターを作ったり、車の乗り入れをさせない部分を作ったり、自然保護に努力している姿を感じました。 |
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目的の縄文杉の前にて |
登山口に帰り着くともう15時30分、せめて他の所も見学したいと考え、 海岸線まで戻り時計回りに南に向かいました。17時頃に千尋(せんびろ)の滝に到着しました。 夕闇が迫ってくる中で千尋の滝は遠くに見事に見えました。 手前の岩盤の斜面がすばらしい。 久しぶりに8時間も歩いたので足が痛く、日頃の運動不足を感じました。。 途中で土産を買ってホテルに着いたのは18時半を過ぎ。暗くなっていました。 |
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千尋の滝 |
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3日目は、レンタカーで宮の浦のホテルを朝一番で出発し、左回りに島の西海岸を大川(おおこ)の滝をめざしました。 西海岸の西部林道は名前の通り林道で、狭くまた途中で猿の大群に会うなど野性的な海岸でした。 猿たちは道路の石垣に並んでひなたぼっこをしていました。 大川の滝は滝壺近くまで近づくことができ、流れ落ちる水に圧倒されました。水量も多く見事な滝でした。 大川の滝を最後に宮の浦港に戻り、土産を買いました。 「さばぶし」がなかなか良かったです。 いよいよ屋久島ともお別れ 宮の浦発11:45発の船で鹿児島に14:45分に戻りました。 鹿児島空港発19:00の便でありましたが、飛行機の都合で出発が40分ほど遅れ、名古屋到着は21:00過ぎでした。 振り返ってみて、ただ観光地をバスで回るのと違い、自分の足で歩くことの良さと縄文杉の素晴らしさに触れる旅でした。 |
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大川の滝 |