イタリアの教育
平成13年度教職員海外短期派遣(長野県団 第201団)
視察報告
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は じ め に | ![]() |
私たち平成13年度教職員海外派遣研修(短期派遣)長野県201団は、イタリアの教育事情及びイタリア・フランスの文化・社会事情を視察して参りました。 この研修は文部省より委託を受けた「独立行政法人 教員研修センター」が行っている研修であり、「初等中等教育諸学校の国際化を推進するための中核となる教員に、諸外国の教育、文化及び社会等の諸事情を視察させ、国際的視野に立った識見を高めさせる」ことを目的としています。 学校教育についてはイタリア国ラッツィオ州ラティーナ県の行政機関およびラティーナ市周辺の学校・幼稚園を視察しました。ラティーナ市はローマの南約70kmに位置する人口約11万人の都市です。ここは沼沢地でしたが第二次世界大戦の直前1936年からムソリーニの計画によって干拓が始まり、計画的に作られた整然とした都市です。市の中心から放射線状に道路が延び各地区毎に小学校中学校が作られています。 イタリアの教育制度は1923年につくられた5(小)・3(中)・5(高)制となっています。1996年に中道左派が政権を取り7(小・中)・5(高−内2年義務)と教育制度を大きく変えようとしましたが、今年2001年7月の総選挙で右派が政権を取り、その教育制度の改革は立ち消えとなりました。しかしそれぞれの学校の学習内容等は時代に合わせて少しずつ変化してきているとのことでありました。 |
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小学校は9月から始まり、満6歳になった児童が入学します。高校は5年ですがそのうち最初の2年間は義務教育となってきています。 現在のイタリア教育の課題は、義務教育終了後の専門課程で専門を与えるのみでなく時代の変化に対応できる基礎教育を行う必要があること、実験的な取り組みが進んできている中、さらに中学校の改革が必要なことであるとお話を頂きました。 |
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訪問させていただいたどの学校でも、子ども達が目を輝かせて学習に取り組んでいること、実験室やコンピュータの設備が充実していること、先生方が熱心に授業に取り組んでいること、さらに先生方が研修に自主的に参加していることなど、さらに学校教育と家庭教育のあり方、特殊教育のあり方、学級編成基準等、私たちはたくさん教えられました。 またイタリアとフランスの文化・社会事情の視察を通し、物事の考え方、価値観の根底にまで、紀元前から続く歴史の重み、石造文化が存在することを肌で感じてきました。 貴重な体験となったこの16日間の視察が、私たち19名の団員のこれからの教育実践に大きな影響を及ぼすものと思っています。 この報告書は、団員が分担して視察の状況や課題についてまとめたものです。関係各位に報告するとともに、私たち自身が教師として再出発するための記録でもあります。 この貴重な機会を与えてくださった文部科学省、教員研修センター、長野県教育委員会、また視察中お世話になった皆様方、イタリアの関係者の皆様方に心より感謝申し上げます。 |
小学校にて |
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